有害生物漁業被害防止総合対策事業
府省庁: 農林水産省
事業番号: 0279
担当部局: 水産庁 増殖推進部漁場資源課
事業期間: 2007年〜2020年
会計区分: 一般会計
実施方法: 補助
事業の目的
本事業の最終目的は、漁業経営の安定化を図ることであり、その達成には、近年、我が国周辺海域に広域に出現するトド、大型クラゲ、ザラボヤ等の有害生物による漁業被害(食害による漁獲量の減少、漁具の破損、作業の遅延、漁獲物の品質低下等)の防止・軽減が課題であるため、本事業を実施する。
事業概要
① 日中韓の国際的枠組みの下、東シナ海及びその隣接海域等におけるモニタリング等による大型クラゲの出現や来遊状況の迅速な把握等を行う(補助率:定額)。
② 有害生物による被害対策を効果的・効率的に進めるため、有害生物の出現状況や生態等を把握するとともに、漁業関係者等に対する情報提供を通じた漁業被害の軽減に向けた取組を行う(補助率:定額)。
③ 漁業被害に対する漁業者等の自助努力を推進するため、有害生物による漁業被害を効果的・効率的に軽減する技術の開発・実証を行う(補助率:定額)。
④ 有害生物を駆除・処理、改良漁具の導入促進といった漁業者等による被害軽減対策を支援する(補助率:定額、1/2)。
予算額・執行額
※単位は100万円
年度 | 要求額 | 当初予算 | 補正予算 | 前年度から繰越し | 翌年度へ繰越し | 予備費等 | 予算計 | 執行額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | - | 535 | 0 | 0 | 0 | 0 | 535 | 486 |
2018 | - | 469 | 0 | 0 | 0 | 0 | 469 | 459 |
2019 | - | 405 | 0 | 0 | 0 | 0 | 405 | 397 |
2020 | - | 355 | 0 | 0 | 0 | 0 | 355 | - |
成果目標及び成果実績(アウトカム)
大型クラゲの到達が見込まれる際に行う到達時期の予測について、予測を行う地点(最大3地点。来遊状況により変動)において、誤差1週間以内の精度で予測する。 (大型クラゲの出現動向を迅速に把握)
大型クラゲの到達が見込まれる際に行う到達時期の予測を行う地点(①対馬海峡、②能登半島及び③津軽海峡)のうち、到達時期の予測を誤差1週間以内の精度で予測できた地点数 (目標:2020年度に3 地点)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2017 | - 地点 | 1 地点 |
2018 | - 地点 | 1 地点 |
2019 | - 地点 | 1 地点 |
情報取得日の翌日までに100%公表する。 (有害生物の出現情報を迅速に提供)
有害生物の出現情報を情報取得日の翌日までに公表した割合 (情報取得日の翌日までの公表実績回数/公表実績回数) (目標:2020年度に100 %)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2017 | - % | 100 % |
2018 | - % | 100 % |
2019 | - % | 100 % |
トドによる漁具の破損等を防止するための強化網を32年度までに6種類実用化する。 (有害生物による漁業被害を軽減するための技術を開発・実証)
実用化した強化網の種類数 (目標:2020年度に6 種類)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2017 | - 種類 | 1 種類 |
2018 | - 種類 | 2 種類 |
2019 | - 種類 | 3 種類 |
トド管理基本方針等に基づくトドの採捕累計目標頭数から、平成26年度~令和5年度のトドによる漁業資源減少の抑制額を140億円とする。 (有害生物による漁業被害の抑制)
トドによる漁業資源減少の抑制額 (トドの採捕頭数×1頭あたり年間食害見込額(280万円)) (目標:2023年度に140 億円)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2017 | - 億円 | 53 億円 |
2018 | - 億円 | 66 億円 |
2019 | - 億円 | 81 億円 |
ホタテ養殖経費に対する、ザラボヤ処理経費の率について、2.0%以下(H21~27年度の平均)に抑制(維持)する。 (有害生物による漁業被害軽減)
ホタテ養殖経費に対する、ザラボヤ処理経費の率 (ザラボヤ処理経費/ホタテ養殖経費) ※達成度=成果実績が2.0%以下の場合100%(2.0%を超える場合0%) (目標:2020年度に2 %)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2017 | - % | 1.9 % |
2018 | - % | 1.6 % |
2019 | - % | - % |
活動指標及び活動実績(アウトプット)
大型クラゲ国際共同調査日数
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2017 | 47 日 | 48 日 |
2018 | 47 日 | 46 日 |
2019 | 45 日 | 49 日 |
有害生物出現情報の公表回数
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2017 | 51 回 | 25 回 |
2018 | 46 回 | 50 回 |
2019 | 52 回 | 74 回 |
強化刺し網の配付反数
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2017 | 170 反 | 170 反 |
2018 | 230 反 | 200 反 |
2019 | 60 反 | 60 反 |
トド駆除・追い払い回数
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2017 | 844 回 | 851 回 |
2018 | 718 回 | 844 回 |
2019 | 735 回 | 767 回 |
ザラボヤ駆除・陸上処理量
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2017 | 24485 トン | 33037 トン |
2018 | 23819 トン | 29097 トン |
2019 | 21381 トン | 26345 トン |
主要な支出先
年度 | 支出先 | 業務概要 | 支出額(百万円) |
---|---|---|---|
2019 | 特定非営利活動法人水産業・漁村活性化推進機構 | 事業(有害生物調査及び情報提供、有害生物被害軽減技術開発、有害生物被害軽減対策、有害生物利活用促進)の運営、管理、助成等 | 361 |
2019 | 一般社団法人漁業情報サービスセンター | 有害生物出現情報収集・解析及び情報提供(大型クラゲ、トド、オットセイ、ナルトビエイ、キタミズクラゲ、ザラボヤ)(委託) | 47 |
2019 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 | 大型クラゲ国際共同調査事業の進行管理、東シナ海域調査船調査等 | 36 |
2019 | 船泊漁業協同組合 | トドの駆除、被害軽減技術開発の実証(助成) | 27 |
2019 | いぶり噴火湾漁業協同組合 | ザラボヤの駆除、陸上処理(助成) | 27 |
2019 | 森漁業協同組合 | ザラボヤの駆除、陸上処理(助成) | 26 |
2019 | 利尻漁業協同組合 | トドの駆除(助成) | 25 |
2019 | 鹿部漁業協同組合 | ザラボヤの陸上処理(助成) | 23 |
2019 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 | トドの生態把握調査及び被害軽減技術開発、利活用調査(委託) | 22 |
2019 | 長万部漁業協同組合 | ザラボヤの駆除、陸上処理(助成) | 21 |
2019 | North Pacific Wildlife Consulting ,LLC | ロシア海域におけるトドの生態把握のための繁殖場調査(委託) | 17 |
2019 | 北海道航空株式会社 | トドの出現頭数把握のための航空機調査に係る航空機チャーター(委託) | 11 |
2019 | 砂原漁業協同組合 | ザラボヤの駆除、陸上処理(助成) | 11 |
2019 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 | オットセイの生態把握調査(委託) | 10 |
2019 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 | 大型クラゲの有害生物出現情報収集・解析及び情報提供(委託) | 7 |
2019 | 国立大学法人長崎大学 | ナルトビエイの生態把握調査(委託) | 7 |
2019 | 香深漁業協同組合 | トドの駆除、被害軽減技術開発の実証、改良漁具の導入(助成) | 6 |
2019 | 北るもい漁業協同組合 | トドの駆除(助成) | 5 |
2019 | 八雲町漁業協同組合 | ザラボヤの駆除、陸上処理(助成) | 5 |
2019 | 株式会社エコニクス | 強化刺し網等のトドの被害軽減対策の実証に係る調査(委託) | 3 |
2019 | 株式会社フィッシャリーズラボ | 有害生物被害対策における事業効果の検証(委託) | 3 |