高温超電導の実用化促進に資する技術開発事業
府省庁: 経済産業省
事業番号: 20-0238
担当部局: 産業技術環境局 エネルギー・環境イノベーション戦略室
事業期間: 2016年〜2020年
会計区分: エネルギー対策特別会計エネルギー需給勘定
実施方法: 交付
事業の目的
超電導は非常に低い温度にすると電気抵抗がゼロとなる現象で、例えば、送電ロスの大幅な低減や送電容量の増加、設備のコンパクト化など、大きな省エネルギー効果が期待される技術である。近年、比較的高温(-196℃以下)で用いることのできる高温超電導材料の開発が大きく進み、いくつかの技術課題が残るものの、具体的なシステムとして高温超電導機器を組み上げ、その有効性を示していく段階に到達しつつある。また、高温超電導技術の適用により大きな市場創出が期待される分野について、技術開発と実証に戦略的に取り組み、世界に先駆けた社会実装を通じて、送電や電機機器等の省エネルギー化に貢献する。
事業概要
これまでの高温超電導技術開発成果を活かし早期実用化を実現するため、省エネルギー効果、市場の規模や成長性が期待できる適用先を厳選し、高温超電導技術による送配電と高磁場マグネットシステムに係る技術開発を実施する。事業化に近いフェーズのものから原理実証などを実施し、それぞれの項目が実用化に結びつくために適切な技術開発を行う。
送配電技術では、送配電システムや鉄道き電線等への実用化のための実証研究に取り組み、事業終了後3~5年以内の実用化を目指す。
高磁場コイル技術開発では高磁場特性の向上及び低価格化に向けた実用開発を行う。より基盤的な研究開発については、適用先を意識しながらも、そのキーとなる基盤・革新技術を開発する。
予算額・執行額
※単位は100万円
年度 | 要求額 | 当初予算 | 補正予算 | 前年度から繰越し | 翌年度へ繰越し | 予備費等 | 予算計 | 執行額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | - | 1,400 | 0 | 0 | -18 | 49 | 1,431 | 1,431 |
2019 | - | 177 | 0 | 18 | 0 | -19 | 176 | 176 |
2020 | - | 158 | 0 | 0 | 0 | 17 | 175 | 175 |
成果目標及び成果実績(アウトカム)
<冷凍機> 単体試験による設置寸法(2m3/kW)の確認 H28年度目標:回転機の動作確認 H29年度目標:回転機の単体試験と冷凍機の全体設計・制作
冷却システム体格当たりの性能 (目標:2020年度に2.0 m3/kW)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - m3/kW | 2 m3/kW |
2019 | - m3/kW | - m3/kW |
2020 | - m3/kW | 2 m3/kW |
<液体窒素循環ポンプ> 単体試験による揚程:0.6MPa、流量50L/minの確認 H28年度目標:循環ポンプの全体設計 H29年度目標:循環ポンプの回転安全性試験
循環ポンプ当たりの性能 (目標:2020年度に0.6 MPa)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - MPa | 0.6 MPa |
2019 | - MPa | - MPa |
2020 | - MPa | 0.88 MPa |
<断熱管> 長尺断熱管の試作:~300m 熱侵入:2 W/m 真空維持:1年以上の見通し H28年度目標:断熱管の全体設計 H29年度目標:断熱管の最適設計
断熱管当たりの性能 (目標:2020年度に2.0 W/m)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - W/m | 2 W/m |
2019 | - W/m | - W/m |
2020 | - W/m | 2 W/m |
<高温超電導コイル> 1/2サイズアクティブシールド型3Tマグネットによるイメージング H28年度目標:内径560㎜の主コイルの巻き線技術の開発 H29年度目標:外径1.2mの大口径コイルの製作 H30年度目標:磁場3Tを発生させるコイルの製作、5Tの設計 R1年度目標:磁場3Tの励磁達成、7Tミニコイルの設計 最終年度目標:電流密度(A/mm2)
高温超電導コイルを用いたMRIの性能 (目標:2020年度に7.0 )
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - | 3 |
2019 | - | 0.3 |
2020 | - | 6.5 |
・高温超電導線材の超 電導接続技術開発 ・コイル保護・焼損対策 手法の開発 H28年度目標:接続抵抗の要因解明 H29年度目標:接続条件の最適化のための課題抽出 H30年度目標:金属ペースト接合技術の確立と実証 R1年度目標:線材の前処理技術の検討 最終年度目標:抵抗値10^-12(Ω)
接続点における抵抗値(Ω) ※10のマイナスX乗という値 (目標:2020年度に12.0 Ω)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - Ω | 9 Ω |
2019 | - Ω | 9 Ω |
2020 | - Ω | 11.2 Ω |
活動指標及び活動実績(アウトプット)
電力送電用高温超電導ケーブルシステムの開発項目目標達成件数 ※各年度当初に定める実施方針に掲げる開発項目に対する目標達成度合
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | 12 件 | 12 件 |
2019 | 6 件 | 6 件 |
2020 | 6 件 | 6 件 |
高温超電導安定化磁場マグネットシステムの開発項目目標達成件数 ※各年度当初に定める実施方針に掲げる開発項目に対する目標達成度合
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | 17 件 | 17 件 |
2019 | 11 件 | 11 件 |
2020 | 11 件 | 11 件 |
高温超電導線材製造速度
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | 50 m/h | 50 m/h |
2019 | - m/h | - m/h |
2020 | 50 m/h | 50 m/h |
主要な支出先
年度 | 支出先 | 業務概要 | 支出額(百万円) |
---|---|---|---|
2020 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 | プロジェクト管 | 175 |
2020 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 長距離冷却システム構築・評価 | 115 |
2020 | 三井金属エンジニアリング株式会社 | 断熱管の開発 | 43 |
2020 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 高温超電導接続技術の開発 | 41 |
2020 | 三菱電機株式会社 | 高温超電導コイル実用化技術開発 | 12 |
2020 | 株式会社前川製作所 | 冷凍機の運転手法の検討 | 3 |
2020 | 学校法人上智学院 | コイル保護・焼損対策手法の開発 | 2 |
2020 | 国立大学法人京都大学 | 磁場安定化技術 | 2 |
2020 | 株式会社IHI | 液体窒素循環系の運用手法の検討 | 1 |
2020 | 国立大学法人東北大学 | 磁場安定化技術、コイル保護手法 | 1 |
2020 | 国立大学法人九州大学 | 高温超電導線材への要求仕様導出 | 1 |
2020 | 国立大学法人京都大学 | 高温超電導マグネットのシステム最適化開発 | 1 |
2020 | 国立大学法人三重大学 | 状態監視、診断手法の適用 | 1 |