CCUS研究開発・実証関連事業
府省庁: 経済産業省
事業番号: 20-0359
担当部局: 産業技術環境局 地球環境対策室
事業期間: 2009年〜2026年
会計区分: エネルギー対策特別会計エネルギー需給勘定
実施方法: 委託・請負、交付
事業の目的
地球温暖化対策としてCO2削減のため、排出源から低コストでCO2を分離・回収し、地中に貯留する大規模実証試験を実施するとともにモニタリングや計測技術の開発や安全安心に関連する技術の調査等を行う。さらに、CO2輸送に関する実証試験を拡充し、分離・回収から輸送、貯留、有効利用までの一貫システムの実証を一体的に進めることで、CCUS・カーボンリサイクル技術の早期実用化を狙う。
事業概要
2050年カーボンニュートラルを達成する技術の一つとして、苫小牧における大規模なCCS実証試験を実施するとともに、日本のCCS技術のプレゼンス向上に寄与する情報発信や地元周辺地域へ配慮した本事業についての社会的受容性の醸成を図る。また、圧入したCO2のモニタリングや周辺海域の海洋環境調査を継続し、CCSが健全であることを確認する。
さらに、CCUS関連技術調査や輸送実証、CO2貯留技術に関する低コストかつ実用規模の安全管理、計測技術の確立を目指した研究開発を実施し、本事業で開発した技術・手法をCCS実証サイトにて活用あるいはフィードバックすることでその有効性を検証する。
予算額・執行額
※単位は100万円
年度 | 要求額 | 当初予算 | 補正予算 | 前年度から繰越し | 翌年度へ繰越し | 予備費等 | 予算計 | 執行額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | - | 9,300 | 0 | 2,560 | -4,059 | -229 | 7,572 | 7,261 |
2019 | - | 7,306 | 0 | 4,059 | -1,274 | -48 | 10,043 | 8,088 |
2020 | - | 6,200 | 0 | 1,274 | -178 | -354 | 6,942 | 5,032 |
2021 | - | 6,030 | 0 | 178 | 0 | 0 | 6,208 | - |
2022 | 8,580 | - | - | - | - | - | - | - |
成果目標及び成果実績(アウトカム)
苫小牧におけるCCUS大規模実証試験において、年間約10万トン規模でのCO2分離・回収・圧入設備の運転技術の確立、累計圧入30万トンの達成
プロジェクトの進捗率 (単位:%) 配分設定は以下の通り。 ①回収設備の設置:20% ②圧入井の掘削:20% ③CO2の輸送:20% ④CO2の圧入:20% ⑤モニタリング:20% (目標:2026年度に100.0 %)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - % | 80 % |
2019 | - % | 90 % |
2020 | - % | 95 % |
設備設計の信頼性検討として、設備劣化状況を評価して、CCS実用化の際のプラント設計に資する知見として纏める。
100万トン/年規模の圧入レートを想定したプラント設備機器の基本設計、経済性評価を行う。 (目標:2026年度に100.0 %)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - % | 60 % |
2019 | - % | 70 % |
2020 | - % | 80 % |
苫小牧におけるCCUS大規模実証試験において、安全安心なCCSの確認のため、CO2の漏えいや周辺海域への影響がないことを継続調査する。
CO2 の漏出(海水の化学的性状の測定値を含む各監視データの総合判断から CO2 漏出が認められる状況)がないこと。 (目標:2026年度に0.0 件)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - 件 | - 件 |
2019 | - 件 | - 件 |
2020 | - 件 | - 件 |
安全なCCS実施のためのCO2貯留技術の研究開発事業 ラボレベルで確立した安全評価技術・手法の基盤技術について、実適用への概念設計等を実施することを目指す。
実適用に向けた概念設計等の累計件数 (目標:2026年度に7.0 件数)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - 件数 | - 件数 |
2019 | - 件数 | - 件数 |
2020 | - 件数 | - 件数 |
20トン/日の規模でのメタノール合成が実証可能なプラントの基本設計を完了する。
プロジェクト進捗率(単位:%) ①触媒選定:30% ②構成機器選定:30% ③プロセス検討:40%
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2018 | - % | - % |
2019 | - % | 30 % |
2020 | - % | 100 % |
活動指標及び活動実績(アウトプット)
苫小牧CCS実証における環境影響評価の実施回数(海洋環境調査)
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | 4 回 | 4 回 |
2019 | 4 回 | 4 回 |
2020 | 4 回 | 4 回 |
苫小牧CCS実証における圧入期間中(平成28~令和元年度)のCO2圧入量累計値 ※貯留層に年間10万トン規模のCO2を輸送・圧入
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | 28 万トン | 23 万トン |
2019 | 30 万トン | 30 万トン |
2020 | - 万トン | - 万トン |
苫小牧CCS実証における分離回収したCO2の濃度 圧入期間中(平成28~令和元年度)、分離回収したCO2の濃度を99%以上とする。
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | 99 % | 99 % |
2019 | 99 % | 99 % |
2020 | - % | - % |
CCUS研究開発・実証関連事業全体での プレス発表等研究成果の外部発表件数
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | 150 件数 | 155 件数 |
2019 | 200 件数 | 205 件数 |
2020 | 250 件数 | 105 件数 |
CCUS研究開発・実証関連事業全体での 特許(出願)件数
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2018 | 1 件数 | 1 件数 |
2019 | 1 件数 | - 件数 |
2020 | 1 件数 | 1 件数 |
主要な支出先
年度 | 支出先 | 業務概要 | 支出額(百万円) |
---|---|---|---|
2020 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 | プロジェクト管理 | 5,032 |
2020 | 日本CCS調査株式会社 | 苫小牧のCCS実証試験設備において、隣接する製油所の水素製造設備を供給源とする二酸化炭素含有ガスから、二酸化炭素の分離・回収/圧入の一連の実証試験、ならびに海洋環境調査・モニタリング・貯留層総合評価を実施。合わせて国内における社会的受容性活動と海外に向けた広報渉外活動の実施。 | 3,498 |
2020 | 二酸化炭素地中貯留技術研究組合 | CCS実用化に必要な技術開発として大規模CO2圧入・貯留安全技術開発、大規模貯留層の有効圧入・利用技術開発、CCS普及のためにCCS普及条件の整備を実施 | 1,042 |
2020 | 株式会社地球科学総合研究所 | 繰り返し弾性波探査によるデータの取得及び処理 | 595 |
2020 | 公益財団法人海洋生物環境研究所 | 海洋環境調査 | 369 |
2020 | 株式会社物理計測コンサルタント | 観測井モニタリングシステムによるデータの提供 | 228 |
2020 | 三菱パワー株式会社 | 製油所から排出されるガスからCO2を分離・回収し、地中に貯留する既存CCS設備と、CO2貯留地点にてCO2を有効利用したメタノール合成技術について、プラント全体の基本設計や各構成機器の特性評価、経済性評価、周辺技術調査などを行い、苫小牧におけるメタノール合成によるCO2有効利用に関する事業見通しについて検討する。 | 168 |
2020 | 三菱重工エンジニアリング株式会社 | 製油所から排出されるガスからCO2を分離・回収し、地中に貯留する既存CCS設備と、CO2貯留地点にてCO2を有効利用したメタノール合成技術について、プラント全体の基本設計や各構成機器の特性評価、経済性評価、周辺技術調査などを行い、苫小牧におけるメタノール合成によるCO2有効利用に関する事業見通しについて検討する。 | 133 |
2020 | 株式会社INPEXドリリング | 坑井封鎖作業 | 89 |
2020 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 重力モニタリング現場観測作業、解析作業、試験データ集計・整理等 | 78 |
2020 | 関西電力株式会社 | CO2船舶輸送出荷基地の概念設計および操業検討 | 76 |
2020 | 株式会社東京測振 | OBS観測システムによるデータの提供 | 73 |
2020 | 日本CCS調査株式会社 | 既存設備の概要調査、土質調査、計装機器調査等 | 71 |
2020 | 関東天然瓦斯開発株式会社 | 光ファイバー性能試験現場作業 | 68 |
2020 | 出光興産株式会社 | D1-1設備の維持管理に必要な点検、保全工事、用役費 | 61 |
2020 | 株式会社物理計測コンサルタント | 坑井封鎖実用化試験現場作業、マイクロバブル圧入試験 | 57 |
2020 | 一般財団法人エンジニアリング協会 | CO2輸送船舶の調査検討 | 54 |
2020 | 株式会社地球科学総合研究所 | 微小振動・自然地震モニタリングデータの総合解析 | 50 |
2020 | サンコーコンサルタント株式会社 | 光ファイバー性能試験計測データ収集作業 | 48 |
2020 | 日鉄パイプライン&エンジニアリング株式会社 | CO2船舶輸送受入基地概念設計 | 45 |
2020 | 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 | 常設型OBCによる観測および維持管理 | 44 |
2020 | 三菱重工交通・建設工ンジニアリング株式会社 | 機器仕様書作成、図面作成等 | 37 |
2020 | 石油資源開発株式会社 | 貯留層等総合評価に係るCO2長期挙動予測 | 37 |
2020 | 株式会社地球科学総合研究所 | 繰り返し弾性波探査を用いた貯留層モニタリング手法の高精度化のための基礎資料作成 | 33 |
2020 | 株式会社地球科学総合研究所 | 繰り返し弾性波探査データのタイムラプス処理 | 24 |
2020 | GLOBAL CARBON CAPTURE AND STORAGE INSTITUTE LTD | 海外のCCS事業全般に係る動向調査 | 21 |
2020 | 株式会社地球科学総合研究所 | 総合モニタリングシステムの維持管理 | 21 |
2020 | 一般財団法人電力中央研究所 | 社会的受容性の醸成活動に関する外部評価 | 16 |
2020 | 応用地質株式会社 | モニタリング用陸上設置地震計観測システムの保守管理 | 16 |
2020 | 国立大学法人東京大学 | 化学的浸透現象分析、海中CO2濃度分析、不確実性低減効果計算 | 15 |
2020 | ニューブレクス株式会社 | 光ファイバー長期観測データ収集作業 | 14 |
2020 | 三菱スペース・ソフトウエア株式会社 | ATLS判定基準に関するデータ処理作業 | 14 |
2020 | 株式会社地球科学総合研究所 | モニタリングデータ情報公開システムの維持管理 | 13 |
2020 | 学校法人早稲田大学 | 電磁探査シミュレーション、CCSコスト計算 | 9 |
2020 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 製油所から排出されるガスからCO2を分離・回収し、地中に貯留する既存CCS設備と、CO2貯留地点にてCO2を有効利用したメタノール合成技術について、プラント全体の基本設計や各構成機器の特性評価、経済性評価、周辺技術調査などを行い、苫小牧におけるメタノール合成によるCO2有効利用に関する事業見通しについて検討する。 | 8 |
2020 | 株式会社地球科学総合研究所 | 海外との光ファイバー共同試験のデータ処理作業 | 7 |
2020 | 株式会社KANSOテクノス | 生物データDB入力作業 | 6 |
2020 | 株式会社ジオシス | 海防法許可更新における許可申請および許可取得に係る業務支援 | 5 |
2020 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 貯留層等総合評価に係る地化学連成反応シミュレーションの動向調査 | 5 |
2020 | 苫小牧漁業協同組合 | 二枚貝等の生態系調査 | 4 |
2020 | 株式会社NHKエンタープライズ | 英語版ダイジェスト版動画制作 | 3 |
2020 | 株式会社スタジオエル | CO2船舶輸送図面作成 | 1 |
2020 | 佐藤史典事務所 | 苫小牧CCS実証センター利用の財務省用地の測量 | 1 |
2020 | 株式会社NHKエンタープライズ | 英語版ダイジェスト版動画制作 | 1 |
2020 | 株式会社新晃社 | 30万トン圧入報告書制作、パンフレット増刷ほか | 1 |