環境調和型製鉄プロセス技術の開発事業
府省庁: 経済産業省
事業番号: 0235
担当部局: 製造産業局 金属課金属技術室
事業期間: 2008年〜2021年
会計区分: エネルギー対策特別会計エネルギー需給勘定
実施方法: 委託・請負、交付
事業の目的
我が国の産業部門のエネルギー起源CO2排出量の約45% を占める鉄鋼業のCO2排出量のうち約70%を占める製鉄プロセスでの省エネ・CO2排出削減技術((i)水素還元活用製鉄プロセス技術(COURSE50)、(ii)フェロコークス活用製銑プロセス技術)の開発及び2030年までの当該技術の適用を通じ、低炭素社会の実現を目指す。
事業概要
本事業では、以下(i)、(ii)の技術開発の支援を実施する。
(i)水素還元活用製鉄プロセス技術の開発事業(COURSE50)【委託】
コークス製造時に発生するコークス炉ガス(COG)に含まれる水素を増幅し、コークスの一部代替に当該水素を用いて鉄鉱石を還元する技術を開発する。また、二酸化炭素濃度が高い高炉ガスから二酸化炭素を分離するため、製鉄所内の未利用排熱を利用した低消費エネルギーの二酸化炭素分離・回収技術を開発の開発の支援をする。これらの技術開発により二酸化炭素発生量の約3割削減を目標とする。
(ii)フェロコークス活用製銑プロセス技術の開発事業【補助1/2】
低品位の石炭と低品位の鉄鉱石の混合成型・乾留により生成されるフェロコークス中に含まれる金属鉄を触媒とし、高炉内の鉄鉱石の還元反応を低温化・高効率化する技術の開発を支援する。当該技術の開発により、製銑プロセスのエネルギー消費の約1割の削減を目標とする。
予算額・執行額
※単位は100万円
年度 | 要求額 | 当初予算 | 補正予算 | 前年度から繰越し | 翌年度へ繰越し | 予備費等 | 予算計 | 執行額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014 | - | 5,080 | 0 | 1,534 | -294 | 166 | 6,486 | 6,486 |
2015 | - | 4,780 | 0 | 294 | 0 | 160 | 5,234 | 5,234 |
2016 | - | 2,100 | 0 | 0 | 0 | 41 | 2,141 | 2,141 |
2017 | - | 2,100 | 0 | 0 | 0 | 230 | 2,330 | - |
2018 | 3,200 | - | - | - | - | - | - | - |
成果目標及び成果実績(アウトカム)
【(i)水素還元活用製鉄プロセス技術の開発事業(COURSE50)】 平成29年度までに、12m3規模試験高炉を対象とした、水素還元活用製鉄プロセス技術の開発により、従来の高炉法から二酸化炭素排出量を10%削減する。
12m3規模試験高炉を対象とした二酸化炭素排出量削減:▲10% (目標:2017年度に10 %)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2014 | - % | 6.2 % |
2015 | - % | 6.2 % |
2016 | - % | 9.3 % |
【(i)水素還元活用製鉄プロセス技術の開発事業(COURSE50)】 平成29年度までに、BP2(ロングラン)試験設備においてコークス炉ガス改質技術により、水素の増幅率を2倍にする。
水素増幅率:2倍 (目標:2017年度に2 倍)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2014 | - 倍 | 1.7 倍 |
2015 | - 倍 | 1.85 倍 |
2016 | - 倍 | 2 倍 |
【(i)水素還元活用製鉄プロセス技術の開発事業(COURSE50)】 平成29年度までに、コークス製造技術により、水素還元に適する反応性(CRI=20~40)を確保した上でのコークス強度(DI)を得る。
コークス強度(DI)=88 (目標:2017年度に88 DI)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2014 | - DI | 87.2 DI |
2015 | - DI | 87.4 DI |
2016 | - DI | 87.7 DI |
【(i)水素還元活用製鉄プロセス技術の開発事業(COURSE50)】 平成29年度までに、高炉ガス(BFG)からのCO2分離・回収コストを2,000円/t-CO2以下にする。
高炉ガス(BFG)からのCO2分離・回収コスト: 2,000/t-CO2 (目標:2017年度に2000 円/t-CO2)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2014 | - 円/t-CO2 | 2343 円/t-CO2 |
2015 | - 円/t-CO2 | 2226 円/t-CO2 |
2016 | - 円/t-CO2 | 2112 円/t-CO2 |
【(i)水素還元活用製鉄プロセス技術の開発事業(COURSE50)】 平成42年を目処にCOURSE50型の高炉を1基導入する。 ※前提条件:CO2貯留に関するインフラ整備と実機化に経済合理性が確保されること。
COURSE50型の高炉導入:1基 (目標:2030年度に1 基)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2014 | - 基 | - 基 |
2015 | - 基 | - 基 |
2016 | - 基 | - 基 |
【(i)水素還元活用製鉄プロセス技術の開発事業(COURSE50)】 平成29年度までに、12m3規模試験高炉(CO2分離回収設備含む)を対象として、二酸化炭素削減量を30%削減
CO2排出削減量:▲30% (目標:2017年度に30 %)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2014 | - % | 26.2 % |
2015 | - % | 26.2 % |
2016 | - % | 29.3 % |
【ⅱフェロコークス活用製銑プロセス技術の開発事業】ラボ・中規模設備にて、平成34年度までに比重・粒度が異なる原料の混合技術(混合度95以上)を確立 (固体3種類、液体1種類の混合)。
混合度:95%以上 (目標:2022年度に95 %)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2014 | - % | - % |
2015 | - % | - % |
2016 | - % | - % |
【ⅱフェロコークス活用製銑プロセス技術の開発事業】ラボ・中規模設備にて、平成34年度までに一般炭を使用した成型技術(I型ドラム強度:ID30/15≧85)を確立する。
I型ドラム強度(DI):85以上 (目標:2022年度に85 %)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2014 | - % | - % |
2015 | - % | - % |
2016 | - % | - % |
【フェロコークス活用製銑プロセス技術の開発事業】平成34年度までに複数本羽口を有する中規模設備での乾留技術(ドラム強度:DI150/15≧80)を確立する。
ドラム強度(DI):80以上 (目標:2022年度に80 %)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2014 | - % | - % |
2015 | - % | - % |
2016 | - % | - % |
【フェロコークス活用製銑プロセス技術の開発事業】平成34年度までに長期操業試験にて30日以上の連続運転を達成する。
連続操業日数:30日 (目標:2022年度に30 %)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2014 | - % | - % |
2015 | - % | - % |
2016 | - % | - % |
【フェロコークス活用製銑プロセス技術の開発事業】平成35年を目処に実高炉1基に導入。
導入高炉数:1基 (目標:2023年度に1 %)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2014 | - % | - % |
2015 | - % | - % |
2016 | - % | - % |
活動指標及び活動実績(アウトプット)
【(i)水素還元活用製鉄プロセス技術の開発事業(COURSE50)】 研究内容の進捗状況確認と今後の方針の協議、及び技術全体のシステム化と実用化検討の協議の実施(原則1回/月実施)
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2014 | 11 回 | 11 回 |
2015 | 11 回 | 11 回 |
2016 | 11 回 | 11 回 |
【(ii)フェロコークス活用製銑プロセス技術の開発事業】 研究内容の進捗状況確認と今後の方針の協議、及び技術全体のシステム化と実用化検討の協議の実施(原則1回/3ヶ月 実施)
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2014 | - 回 | - 回 |
2015 | - 回 | - 回 |
2016 | - 回 | - 回 |
【(i)水素還元活用製鉄プロセス技術の開発事業(COURSE50)】 「単位当たりコスト=X/Y」 X:年度毎の執行額 Y:基本計画における成果目標数=4
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2014 | 1621500.75 千円 | 1621501 千円 |
2015 | 1308418.75 千円 | 1308419 千円 |
2016 | 525000 千円 | 525000 千円 |
【(ii)フェロコークス活用製銑プロセス技術の開発事業】 「単位当たりコスト=X/Y」 x:年度毎の執行額 Y:基本計画における成果目標数=5
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2014 | - 千円 | - 千円 |
2015 | - 千円 | - 千円 |
2016 | - 千円 | - 千円 |
主要な支出先
年度 | 支出先 | 業務概要 | 支出額(百万円) |
---|---|---|---|
2016 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 | プロジェクトマネジメント業務 | 2,100 |
2016 | 日本製鉄株式会社 | 鉄鉱石還元への水素活用技術の開発他の研究開発業務等 | 1,697 |
2016 | 株式会社神戸製鋼所 | コークス改良技術開発他の研究開発業務等 | 224 |
2016 | JFEスチール株式会社 | CO2分離回収技術開発他の研究開発業務等 | 171 |
2016 | 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 | 新化学吸収液の開発(新日鐵住金(株)との共同研究) | 86 |
2016 | 国立大学法人東北大学 | 超高被還元性塊成鉱の組織設計とその製造技術に関する研究開発(JFEスチール(株)との共同研究)など4件 | 37 |
2016 | 国立大学法人京都大学 | 低品位鉄鉱石と低品位炭素資源からの高還元性・高ガス化反応性鉄鉱石・炭材コンポジットの製造(JFEスチール(株)との共同研究)など3件 | 14 |
2016 | 国立大学法人北海道大学 | CVIによる炭素内装低還元粉化性(RDI)塊成鉱製造法の研究開発(JFEスチール(株)との共同研究)など2件 | 13 |
2016 | 一般財団法人電力中央研究所 | レーザー計測等を用いた燃焼火炎内の非接触計測(JFEスチール(株)の再委託) | 10 |
2016 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 水素還元適用コークス品質の解明と反応性制御技術の開発((株)神戸製鋼所との共同研究) | 9 |
2016 | 国立大学法人東京工業大学 | 高炉軟化融着帯での通気性を確保する融液量低減焼結鉱の製造に関する研究(新日鐵住金との共同研究) | 8 |
2016 | 国立大学法人九州大学 | 低品位炭素資源を原料とする高強度・好反応性コークス製造法の開発((株)神戸製鋼所との共同研究)など5件 | 7 |
2016 | 国立大学法人大阪大学 | クリーン還元プロセスのた めの先進塊成鉱の創製に 関する研究開発(新日鐵住金との共同研究) | 7 |
2016 | 国立大学法人秋田大学 | 低品位鉄鉱石と低品位炭素資源からの高還元性・高ガス化反応性鉄鉱石・炭材コンポジットの製造(JFEスチール(株)との共同研究) | 7 |
2016 | 国立大学法人東海国立大学機構 | 高炉羽口フローパイプおよびレースウェイでの反応挙動の基礎研究(新日鐵住金との共同研究) | 4 |
2016 | 日鉄日新製鋼株式会社 | 全体プロセスの評価・検討他の研究開発業務等 | 4 |
2016 | 日鉄エンジニアリング株式会社 | 試験高炉におけるプロセス評価技術開発他の研究開発業務等 | 3 |
2016 | 国立大学法人群馬大学 | タール改質触媒の開発と反応形式の検討(新日鐵住金との共同研究) | 3 |
2016 | 住友精化株式会社 | 物理吸着技術開発(JFEスチール(株)の再委託) | 1 |