放射性廃棄物の減容化に向けたガラス固化技術の基盤研究委託事業
府省庁: 経済産業省
事業番号: 0318
担当部局: 資源エネルギー庁電力・ガス事業部 原子力立地・核燃料サイクル産業課
事業期間: 2014年〜2024年
会計区分: エネルギー対策特別会計電源開発促進勘定
実施方法: 委託・請負
事業の目的
エネルギー基本計画においては、使用済MOX燃料の処理の方策について、引き続き研究開発に取り組みつつ、核燃料サイクル政策を推進すること、また、核燃料サイクルの重要なプロセスとして、放射性廃棄物を適切に処理・処分し、その減容化・有害度低減のための技術開発を推進すること、特に高レベル放射性廃棄物については国が前面に立って最終処分に向けた取組を進めることとされている。これを踏まえ、本事業は、使用済燃料の再処理において生じる様々な種類の高レベル放射性廃棄物の最終処分等に向けた技術的課題の解決に道筋をつけることにより、核燃料サイクル政策の推進に資するものである。
事業概要
使用済燃料の再処理において生じる様々な種類の高レベル放射性廃液について、①高充填化に最適なガラス組成の選定・評価、②高充填化を妨げる原因となる白金属元素やイエローフェーズを抑制する技術等の開発、③ガラス溶融炉の運転制御技術の開発、などを行う。特に、様々な種類の廃液に応じて、溶融・固化プロセスを改善し、高充填化を妨げる白金族元素やイエローフェーズの生成を抑える技術等を開発するとともに、長寿命で発熱性の高い核種についても、新たな技術を開発する(抽出クロマトグラフィ等によるマイナーアクチニドの分離システム技術)。さらに、使用済MOX燃料を安全・安定的に処理するため、施設の安全性向上や処理性能向上を図るための基盤技術等を開発する。
予算額・執行額
※単位は100万円
年度 | 要求額 | 当初予算 | 補正予算 | 前年度から繰越し | 翌年度へ繰越し | 予備費等 | 予算計 | 執行額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | - | 400 | 0 | 0 | 0 | 0 | 400 | 395 |
2018 | - | 400 | 0 | 0 | 0 | 0 | 400 | 368 |
2019 | - | 700 | 0 | 0 | 0 | 0 | 700 | 641 |
2020 | - | 700 | 0 | 0 | 0 | 0 | 700 | - |
2021 | 1,000 | - | - | - | - | - | - | - |
成果目標及び成果実績(アウトカム)
<高レベル放射性廃棄物の減容固化> 様々な種類の高レベル放射性廃液をガラス固化できる技術の実用化の目途をつけ、処分に向けた取り組みを進められるようになること。
高レベル放射性廃液の高充填化技術の実用化による放射性廃棄物の一層の減容化技術の確立 (目標:2029年度に1 件)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2017 | - 件 | - 件 |
2018 | - 件 | - 件 |
2019 | - 件 | - 件 |
<ウラン廃棄物からのウラン分離> ウラン廃棄物からウランを分離または除染する技術の実用化に目途をつけ、廃棄物の浅地中処分またはクリアランス制度を適用した処分ができるようになること。
ウラン分離技術の実用化による高ウラン濃度廃棄物の減容化技術の確立 (目標:2029年度に1 件)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2017 | - 件 | - 件 |
2018 | - 件 | - 件 |
2019 | - 件 | - 件 |
<使用済MOX燃料の再処理技術の高度化> 使用済MOX燃料を安全かつ安定的に処理できる基盤技術の実用化に目処をつけ、使用済MOX燃料の再処理に向けた取り組みを進められるようになること。
施設の安全対策及び処理条件の最適化等による使用済MOX燃料の安全かつ安定処理が可能な再処理技術の確立 (目標:2029年度に1 件)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2017 | - 件 | - 件 |
2018 | - 件 | - 件 |
2019 | - 件 | - 件 |
活動指標及び活動実績(アウトプット)
<高レベル放射性廃棄物の減容固化> 安定・高充填可能なガラス固化技術の実用化に向けた技術的見通しを得るため、また、ガラス固化プロセスの基本設計を行うために必要となる下記の基盤研究開発を行う。 ①白金族元素の堆積およびイエローフェーズ発生の抑制メカニズムの解明 ②ガラス溶融炉運転制御技術の確立 ③使用済燃料多様化に伴って発生する廃液に対する安定固化方法の確立 ④高分離効率なマイナーアクチニド分離プロセスの確立 ⑤マイナーアクチニド分離プロセスの安全性確認 ⑥マイナーアクチニド分離設備の安定運転制御技術の開発
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2017 | 19 件 | 21 件 |
2018 | 21 件 | 21 件 |
2019 | 31 件 | 31 件 |
<ウラン廃棄物からのウラン分離技術開発> ウラン廃棄物からのウラン分離技術の実用化に向けた技術的見通しを得るため、また、ウラン分離プロセスの基本設計を行うために必要となる下記の基盤研究開発を行う。 ①金属系ウラン廃棄物等のウラン除染・クリアランスレベルのウラン高感度測定技術の確立 ②スラッジ状ウラン廃棄物からウランを分離する技術の確立 ③ウランを分離させた溶液からのウラン回収技術の確立 ④ウラン分離・回収後の廃棄物の処理方法の確立
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2017 | 6 件 | 6 件 |
2018 | - 件 | - 件 |
2019 | 9 件 | 9 件 |
<使用済MOX燃料の再処理技術の高度化> 使用済MOX燃料を安全・安定的に処理するための再処理技術の実用化に向けた技術的見通しを得るため下記の研究開発を行う。 ①使用済燃料混合再処理を行った場合のシナリオ評価 ②混合再処理した場合の各工程への影響評価 ③未照射MOX燃料による溶解挙動評価 ④残渣溶解技術開発 ⑤ガラス溶融炉の運転影響評価
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2017 | - 件 | - 件 |
2018 | - 件 | - 件 |
2019 | - 件 | - 件 |
主要な支出先
年度 | 支出先 | 業務概要 | 支出額(百万円) |
---|---|---|---|
2019 | 株式会社IHI | ガラス溶融炉の運転制御技術に係るガラス固化試験等 | 217 |
2019 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 | MA分離技術の開発等 | 214 |
2019 | 日本原燃株式会社 | 廃棄物成分の組成変動に係るガラス固化試験等 | 90 |
2019 | 公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センター | 使用済燃料多様化に伴う最適シナリオ検討 | 70 |
2019 | 一般財団法人電力中央研究所 | ガラス溶融炉の運転制御技術に係るガラス固化試験等 | 66 |
2019 | 一般社団法人新金属協会 | 廃棄物からウランを分離する技術の開発等 | 34 |
2019 | 株式会社化研 | スラッジ等の組成分析、浸出試験等 | 21 |
2019 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 | 廃棄物からウランを回収する技術の開発等 | 21 |
2019 | 大川原化工機株式会社 | 分離塔差圧を低減可能な多孔質粒子の開発 | 9 |
2019 | 国立大学法人東京工業大学 | クロマトシミュレーション技術の開発及び出口液モニタリング技術の開発 | 6 |
2019 | 国立大学法人東北大学 | フローシート検討に係る試験及び照射済吸着剤の分析技術の開発 | 6 |
2019 | 学校法人芝浦工業大学 | フローシート検討に係るコールド試験及び使用済吸着剤の処理技術の開発 | 6 |
2019 | 国立大学法人東京工業大学 | 高燃焼度燃料等に対応するガラス組成およびガラス原料供給形態検討 | 6 |
2019 | 国立大学法人東海国立大学機構 | ガラスマトリックス・原料供給形態の高度化に向けた調査・試験 | 4 |
2019 | 国立大学法人九州大学 | 高燃焼度燃料等に対応するガラス物性評価 | 4 |
2019 | 国立大学法人東北大学 | 高燃焼度燃料等に対応するガラス組成検討およびガラス物性評価 | 4 |
2019 | 国立大学法人愛媛大学 | アルカリ廃液を高充填可能なガラス組成の検討 | 4 |
2019 | 国立大学法人秋田大学 | 高燃焼度燃料等に対応するガラス組成検討および相平衡データ取得・データベース作成 | 3 |
2019 | 中部電力株式会社 | 高温場でのセンシング技術の開発 | 3 |
2019 | 国立大学法人埼玉大学 | 仮焼層を含む溶融炉内の状態把握に係る数値解析シミュレーションの実施 | 3 |
2019 | 学校法人五島育英会 | 運転技術の高度化に向けた炉内白金族元素の状態変化に係る調査・検討 | 3 |
2019 | 国立大学法人東京工業大学 | ウラン廃棄物からのウラン回収に係る基礎研究 | 2 |
2019 | 国立大学法人北海道大学 | ウラン廃棄物処理に係る廃液分解の基礎試験に関する研究 | 2 |
2019 | 国立大学法人弘前大学 | 構造解析によるガラス構造と組成の関係性検討 | 2 |
2019 | 学校法人立命館 | 構造解析によるガラスの安定評価に関わる標準資料分析 | 1 |
2019 | 国立高等専門学校機構八戸工業高等専門学校 | アルカリ廃液に含まれる有機物の新規分解技術の検討 | 1 |