放射性廃棄物の減容化に向けたガラス固化技術の基盤研究委託事業
府省庁: 経済産業省
事業番号: 0330
担当部局: 資源エネルギー庁電力・ガス事業部 原子力立地・核燃料サイクル産業課
事業期間: 2014年〜2024年
会計区分: エネルギー対策特別会計電源開発促進勘定
実施方法: 委託・請負
事業の目的
エネルギー基本計画においては、使用済MOX燃料の処理の方策について、引き続き研究開発に取り組みつつ、核燃料サイクル政策を推進すること、また、核燃料サイクルの重要なプロセスとして、放射性廃棄物を適切に処理・処分し、その減容化・有害度低減のための技術開発を推進すること、特に高レベル放射性廃棄物については国が前面に立って最終処分に向けた取組を進めることとされている。これを踏まえ、本事業は、使用済燃料の再処理において生じる様々な種類の高レベル放射性廃棄物の最終処分等に向けた技術的課題の解決に道筋をつけることにより、核燃料サイクル政策の推進に資するものである。
事業概要
使用済燃料の再処理において生じる様々な種類の高レベル放射性廃液について、①高充填化に最適なガラス組成の選定・評価、②高充填化を妨げる原因となる白金属元素やイエローフェーズを抑制する技術等の開発、③ガラス溶融炉の運転制御技術の開発、などを行う。特に、様々な種類の廃液に応じて、溶融・固化プロセスを改善し、高充填化を妨げる白金族元素やイエローフェーズの生成を抑える技術等を開発するとともに、長寿命で発熱性の高い核種についても、新たな技術の開発に着手する(抽出クロマトグラフィ等によるマイナーアクチニドの分離システム技術)。
予算額・執行額
※単位は100万円
年度 | 要求額 | 当初予算 | 補正予算 | 前年度から繰越し | 翌年度へ繰越し | 予備費等 | 予算計 | 執行額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016 | - | 825 | 0 | 0 | 0 | 0 | 825 | 809 |
2017 | - | 400 | 0 | 0 | 0 | 0 | 400 | 396 |
2018 | - | 400 | 0 | 0 | 0 | 0 | 400 | 368 |
2019 | - | 700 | 0 | 0 | 0 | 0 | 700 | - |
2020 | 700 | - | - | - | - | - | - | - |
成果目標及び成果実績(アウトカム)
<高レベル放射性廃棄物の減容固化> 様々な種類の高レベル放射性廃液をガラス固化できる技術の実用化の目途をつけ、処分に向けた取り組みを進められるようになること。
高レベル放射性廃液の高充填化技術の実用化による放射性廃棄物の一層の減容化技術の確立 (目標:2029年度に1 件)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2016 | - 件 | - 件 |
2017 | - 件 | - 件 |
2018 | - 件 | - 件 |
<ウラン廃棄物からのウラン分離> ウラン廃棄物からウランを分離または除染する技術の実用化に目途をつけ、廃棄物の浅地中処分またはクリアランス制度を適用した処分ができるようになること。
ウラン分離技術の実用化による高ウラン濃度廃棄物の減容化技術の確立 (目標:2029年度に1 件)
年度 | 当初見込み | 成果実績 |
---|---|---|
2016 | - 件 | - 件 |
2017 | - 件 | - 件 |
2018 | - 件 | - 件 |
活動指標及び活動実績(アウトプット)
<高レベル放射性廃棄物の減容固化> 安定・高充填可能なガラス固化技術の実用化に向けた技術的見通しを得るため、また、ガラス固化プロセスの基本設計を行うために必要となる下記の基盤研究開発を行う。 ①白金族元素の堆積およびイエローフェーズ発生の抑制メカニズムの解明 ②ガラス溶融炉運転制御技術の確立 ③使用済燃料多様化に伴って発生する廃液に対する安定固化方法の確立 ④高分離効率なマイナーアクチニド分離プロセスの確立 ⑤マイナーアクチニド分離プロセスの安全性確認 ⑥マイナーアクチニド分離設備の安定運転制御技術の開発
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2016 | 22 件 | 23 件 |
2017 | 19 件 | 21 件 |
2018 | 21 件 | 21 件 |
<ウラン廃棄物からのウラン分離技術開発> ウラン廃棄物からのウラン分離技術の実用化に向けた技術的見通しを得るため、また、ウラン分離プロセスの基本設計を行うために必要となる下記の基盤研究開発を行う。 ①金属系ウラン廃棄物等のウラン除染・クリアランスレベルのウラン高感度測定技術の確立 ②スラッジ状ウラン廃棄物からウランを分離する技術の確立 ③ウランを分離させた溶液からのウラン回収技術の確立 ④ウラン分離・回収後の廃棄物の処理方法の確立
年度 | 当初見込み | 活動実績 |
---|---|---|
2016 | 5 件 | 6 件 |
2017 | 6 件 | 6 件 |
2018 | - 件 | - 件 |
主要な支出先
年度 | 支出先 | 業務概要 | 支出額(百万円) |
---|---|---|---|
2018 | 株式会社IHI | ガラス溶融炉の運転制御技術に係るガラス固化試験等 | 194 |
2018 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 | 廃棄物成分の組成変動に係るガラス固化試験等 | 91 |
2018 | 日本原燃株式会社 | 廃棄物成分の組成変動に係るガラス固化試験等 | 47 |
2018 | 一般財団法人電力中央研究所 | ガラス溶融炉の運転制御技術に係るガラス固化試験等 | 36 |
2018 | 国立大学法人東京工業大学 | 仮焼層形成過程およびガラス化反応過程の評価によるMoO3溶解度向上に係るメカニズムの検討 | 8 |
2018 | 三菱マテリアル株式会社 | 廃棄物成分の組成変動に係るガラス固化試験:廃止措置に伴い発生する低レベル廃棄物に対する溶融除染技術及び安定化方法の検討業務 | 5 |
2018 | 中部電力株式会社 | 廃棄物成分の組成変動に係るガラス固化試験:発電所系低レベル廃棄物組成に応じたマトリックス開発(吸着ガラスの開発)に関する開発業務 | 5 |
2018 | 国立大学法人秋田大学 | ホウケイ酸塩ガラスにおけるMoO3溶解度の熱力学的定式化 | 4 |
2018 | 公立大学法人滋賀県立大学 | ホウケイ酸塩ガラスの組成変化が物性値及びMoO3溶解度等に及ぼす影響調査 | 4 |
2018 | 学校法人五島育英会 | 廃棄物成分の組成変動に係るガラス固化試験:低レベル廃棄物組成に応じたマトリックス開発及び高レベル廃棄物に応じた高度化マトリックス開発に関し、高温溶融時におけるXAFSを用いた構造解析を含めた開発業務 | 4 |
2018 | 国立大学法人大阪大学 | 廃棄物成分の組成変動に係るガラス固化試験:低レベル廃棄物組成に応じたマトリックス開発及び高レベル廃棄物に応じた高度化マトリックス開発に関し、軟X線を用い軽元素に着目した構造解析を含めた開発業務 | 4 |
2018 | 国立大学法人茨城大学 | 廃棄物成分の組成変動に係るガラス固化試験:各種調製ガラスの高温特性計測及び解析業務 | 4 |
2018 | 国立大学法人九州大学 | 廃棄物成分の組成変動に係るガラス固化試験:低レベル廃棄物組成に応じたマトリックス開発に関する開発業務及び高温物性評価を含めた開発業務 | 4 |
2018 | 国立大学法人東海国立大学機構 | 鉛ホウ酸ガラスを用いる還元性廃棄物のガラス固化プロセスの原理検討 | 3 |
2018 | 国立大学法人埼玉大学 | ガラス溶融炉の運転制御に係るガラス固化試験:仮焼層破片の寸法及び形状の検討・評価、仮焼層破片の沈降に係る数値解析シミュレーションの実施 | 3 |
2018 | 国立大学法人弘前大学 | 構造解析によるホウケイ酸ガラスに対するMoO3溶解度向上に係るメカニズムの検討 | 2 |
2018 | 国立大学法人千葉大学 | 廃棄物成分の組成変動に係るガラス固化試験:低レベル廃棄物組成に応じたマトリックス開発及び浸出率に及ぼすガラス構造の影響を評価するためのNMR等を用いた構造解析を含めた開発業務 | 2 |
2018 | 国立大学法人東北大学 | 廃棄物成分の組成変動に係るガラス固化試験:低レベル廃棄物組成に応じたマトリックス開発に関する開発業務 | 2 |
2018 | 学校法人立命館 | ガラス試料のXAFSによる構造解析 | 1 |
2018 | 学校法人芝浦工業大学 | 廃棄物組成をガラスマトリックスとして利用した場合の最適化ガラス化範囲、ガラス物性データの取得 | 1 |
2018 | 国立大学法人愛媛大学 | ガラス試料組成のガラス構造に及ぼす影響調査、ガラスのミクロ構造に関する情報取得研究 | 1 |